お前がギターを速く弾けないのはリズム感がないからだ

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ちょっと強く出てみましたがいかがでしょう。今回はリズム感の話です。




軽視されがちなリズム感

実際はみんな軽視しているわけではないと思うんです。音楽をちょっと齧っていたら、リズム感は大切と、「頭では」わかっているはずです。それでも世の初心者プレイヤーのリズム感に対するモチベーションが今ひとつ芳しくないのは、おそらく次のような点にあると思います。
・リズム感がよくなるよりも、速く弾けたり、高い声で歌えたりするほうが上手くなった感じがする
・練習してもリズム感がよくなっているかどうかイマイチわからない
仕方ないといえば仕方ないんです。教則本などでリズム感について書かれていることは、大抵「リズム感がないと、いくら速く指が動いても、高い声が出ても、イケてない演奏(歌唱)になる」のような、出音の印象に関することがほとんど。出音だけで考えると、確かに微妙なリズム感より速弾きやハイトーンのほうが、できるできないがはっきりしていて練習のしがいがあります。
でも僕は、リズム感の大切さはもう一段深いところにあると思うのです。

リズム感とタイミング

リズム感とはなんぞや、というところからお話をしましょう。そもそもリズムとは、「音の強弱などの、周期的な繰り返しによって表される秩序」だそうです。要するに、音符(あるいは休符)の長さが、どういうふうに並んでいるか、ということですね。それを感じ取れる、そして表現できる能力がリズム感なわけです。なので、僕は音を正確なタイミングで出せる技術は、リズム感がもたらすものの「一部である」と認識しています。ここが重要なところで、多くの人が「リズム感があること」と「音を正確なタイミングで出せること」をイコールにしてしまっているので、リズム感の重要性があまり理解されないのです。

リズムトレーニングの効能

リズム感とは、リズムを感じとって表現できる能力である、と言いました。
音を正確なタイミングで出せる技術は、リズム感がもたらすものの一部である、とも言いました。
では、リズム感で他に何ができるのかと言うと、「適切なタイミングで力を入れる/抜くこと」です。
楽器や歌にとって脱力が大切なのは何となくおわかりいただけると思います。力んでいては何事もうまくいきません。では常に脱力していればよいか、というとこれも正しくなく、「力を入れるべき時に入れる、メリハリが大切」というところが正解だと僕は思っています。リズム感を鍛えるとこの精度がよくなります。
ずっと腕や肩に力が入ったままギターを弾いたり歌ったりすると、一曲終わる頃には疲れてモタッたり声が掠れたりしますよね。しかし、ちょっとはどこかで力を入れないと、腕も動かないし声も出ません。それがどこかと言うと、表拍です。そして、裏拍で力を抜くのです。この緩急が綺麗につけば、「力まずに指を速く動かす/高い声を出す」が可能になります。(力の入れ/抜きパターンはいろいろあるのですが、とりあえず大雑把にこういうことにさせてください)

リズム感がない状態というのは、音符を「置きに行っている」状態です。置きに行く、というのは「体の準備が無い状態でいきなり音を出す」ことです。音ゲーのように反射神経だけでやっていると、どの瞬間も常に力んでいる状態になっています。リズム感を身につけると、表拍の一点だけ合わせに行って裏拍は脱力、ということができるので、「常に力んでいる」ということはなくなります。そして、力みが取れた状態で演奏(歌唱)をすると、無理のないフォームとなって速さ/高さの上限が上がるのです。




結局練習は地味

で、どしたらリズム感つくねん、ということなのですが、こればっかりは結局地味にCDなどに合わせて太鼓や膝やジャンプや机を叩くしか無いです。(この記事はリズム練習の大切さを説きますが、リズム練習自体はどこまでいっても地味です)
初歩としては、8ビートか16ビートの曲の2、4拍目のスネアのところで手を叩く、とかがいいかと思います。ただし、ただ手を叩くのではなく、1拍目に思いっきり腕に力を入れて、2拍目で息を吐きながら(溜息のように「ぁぁ・・・」って言う感じ)急速に脱力して雑に手を叩く、3拍目4拍目もこの繰り返し、という風に、タイミングだけでなく力を入れる/抜くことに意識を置いてください。
もっとちゃんとやるなら、ドラマーと同じ練習をするのも一番良いです。

こういうアクセント移動とかですね。これもメトロノームだとすぐ飽きちゃうので、好きなバンドの曲(変拍子の無いもの)とかでも大丈夫です。スティックでなくて素手でも可。




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