ストーナーロックというジャンルをご存知ですか。おそらくご存知ないと思います。僕が今までの人生でいちばん掘ったジャンルなので、よかったら1曲くらい聴いて下さい。好きになってくれとは言わないので。
ストーナーロックとは
ヘヴィメタルのサブジャンルなのですが、特徴は「遅い・重い・長い」
です。BLACK SABBATH、MC5、BLUE CHEERなどの60年代〜70年代のロックをルーツに持ち、特にBLACK SABBATH的なヘヴィネスを90年代において再解釈したものとして生まれました。そのプリミティブさが、リフのみで構成された楽曲、極端に低音しか出ていないミックス、人間の欲望に忠実な歌詞などに現れています。
ストーナーロックという呼称はBLACK SABBATHにインスパイアされた90年代以降のリフ主体のロック全般を指すため、具体的な音楽性を指す場合はさらにそのサブジャンルである次の呼称が使われます。
・ドゥームメタル・・・メタル要素強め
・スラッジコア・・・ハードコアパンク要素強め
・スペースロック・・・サイケデリックロック要素強め
・デザートロック・・・カリフォルニアの砂漠地帯出身のバンド群
・ドローン・・・音響要素強め
多くのバンドがどれか一つではなく、複数のジャンルにまたがったような音楽性があり、それが個性となっています。
また、ストーナーは「stoned(酩酊した)」という単語から来ており、手のひらの形をした植物と非常に密接な関わり(というかこのジャンルの人がみんな大好きすぎる)があるのですが、Google先生に怒られそうなのであまりこの話は広げません。
御託はいいので代表バンドを聴いてくれ
聞きやすい順でGO!
QUEENS OF THE STONE AGE
「The Lost Art Of Keeping A Secret」
後に紹介するデザートロックバンドKyussのギタリスト、ジョシュ・ホーミがkyuss解散後結成したバンド。おそらくストーナーのくくりではいちばん売れているバンドかと思います。今や文句なしのメジャーバンドなのでストーナーロック特有のドロドロしたアングラ感はありませんが、独特のサイケ感とファズサウンドでギリギリストーナーしてます。3rdアルバムでかのデイブ・グロール(ex-Nirvana、FOO FIGHTERS)が参加するニュースを聞いたときなどは一段上にいってもうたなぁと思ったものです。
BORIS
「Korosu」
日本のバンドですが、海外でも高く評価されていますし、少し前にAvexからリリースしたりと、決してアングラにとどまらない活動をされています。
その名も「Heavy Rocks」というアルバムに収録されている曲ですが、ひたすらうるさくて最高です。
「BORIS」「boris」で名義を使い分け、大文字ではヘヴィロックを、小文字ではアンビエント作品をリリースしています。
MONSTER MAGNET
「Powertrip」
ひげのおじさん、デイブ・ウィンドーフのクセが強いですね。
本国アメリカでのポジションはよくわかりませんが、ストーナーバンドの中でもメジャーなほうかと思います。初期の頃は32分あうあう言ってるだけの曲を作ったりしてましたが、最近はすっかりちゃんとしたアメリカンロックバンドになってしまいました。
kyuss
「One Inch Man」
デザートロックの代表バンド、kyuss。かいあす、と読みます。やってることはリフの上で歌ってるだけなんですが、ミックスが低音しか出てなくて歌が全然前に出てこないのと、ギターの音がゆるゆるすぎるのとで謎のグルーブ感が醸成されています。
1995年に解散しましたが、2011年にジョシュ以外のオリジナルメンバーでKyuss Live!名義で再結成します。しかしジョシュと元メンバーのスコット・リーダーに名義不正使用で訴えられ、Vista Chinoに改名しました。大変っすね。
CATHEDRAL
「Ride」
元Napalm Deathのリー・ドリアンが結成したバンド。ドゥームメタルの代表的なバンド。リフも大したことしてないし歌も歌と言うより何か言ってるだけなんですが、なぜか最高にかっこいいです。なぜかはわかりません。ちなみにアルバムによっては同じく大したことないリフと言ってるだけボーカルなのに、ぜんぜんかっこよくない曲ばっかりだったりします。なぜかはわかりません。
ELECTRIC WIZARD
「Return Trip」
この辺から地獄です。遅い・重い・長いとはこういうことです。いいとか悪いとかじゃなくて、この世界観を楽しめるかどうか、ですね。これでもこのジャンルの代表格バンドなんですよ。
EYEHATEGOD
「My Name Is God(I Hate You)」
これがスラッジコアです。つらそうですね・・・
SLEEP
「DOPESMOKER」
63分1曲、ストーナー旅団がリフに満ちた地を目指し旅する狂気じみた物語です。
聞き終わる頃には、気持ちいいと言うかなんかよくわからんテンションになっています。2018年の来日公演はもちろん行きましたが、これを(短縮バージョンですが)やってくれて昇天しかけました。
ちなみになぜか「1時間1リフ」と言われることが多いのですが、実際は緻密に複数のリフが組み合わされており、起承転結はあります。意外とこういう音楽好きでもみんなちゃんと曲きいてないんだなー(突然の毒)
Earth
「Teeth Of Lions Rule The Divine」
バンドよりも、「カートコバーンが自殺に使った銃をプレゼントした男」として有名なディラン・カールスンのスラッジドローンバンド。
ほぼほぼズーンていってるだけです。たまに音が動くと嬉しい気持ちになります。
果たしてここまで読んでくれている人はいるのでしょうか。ここまでたどり着けた方は、お友達になりましょう。
最高
ありがとう!