駆け出しバンドのMCについて考える

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バンド組んでさぁライブやるぞとなったときに、意外と起こるのが「誰がMCする?」問題。ボーカルがやる(押し付けられる)ことになることが多いですが、だからといってボーカルに適正があるとは限らず、歌はめっちゃうまいのにMCになったと途端はにかみだすフロントマンを見るとこっちまで恥ずかしくなってきます。





僕もバンドのキャリア初期に置いては喋るのなんか無理!と思っていたのですが、やる必要にかられてやってみると意外となんとかなるもので、その経験で得た知見を共有していきたいと思います。

対象としては、
・バンドやりはじめて日が浅い
・ジャンルはいわゆるロック/ポップス
・フロアにお客さんが0〜30人くらいまでのブッキングライブ中心で、そこそこアウェイなことが多い
・サークルのライブとか、結婚式の余興とかでも参考になる部分はあるかも

ジャンルによってはMCにまで様式があるものもありますからそういうのは考慮に入れません。またお客さんが満員になるようなバンドならある程度何言っても大丈夫かと思います。

NG集

まず、これを言うくらいならMC無しのほうがマシ!のやつから。

・もっと前に来て下さい!

優しいお客さん(あるいは対バンさん)なら一歩二歩前に来てくれるんですが、もともと地蔵みたいな客が前に来た所で別に盛り上がってる感はアップしません。もともとある程度盛り上がっていれば煽りとしては機能しますが、0から1は無理です。しかもこの言葉、現状が盛り上がってないことを客に再認識させてしまいます。最悪です。

・お前、なんか喋って

打ち合わせの上であったり、振られたメンバーが対応できるタイプの人間であればよいですが、そうであったためしがありません。スベるのが怖いから来る行動なのかもしれませんが、この言葉が出た時点でちゃんとバンド全体としてスベっていますよ。

・喋ることなんも考えてないんですよね〜

意外とベテランバンドのMCでも聞くんですが、ちゃんとしてるバンドの人は「考えてないんですよね〜」と言ってからでもある程度ちゃんと喋ってます。喋る内容のハードルを下げる効果があるんですね。「考えてないんですよね〜」でほんとに何も喋れないのはだめです。そこから「お前、なんか喋って」のコンボは最悪です。いくら曲が良くても帰ります。

・お前らそんなもんか〜!?

オラオラ系MCは会場が盛り上がっているときならいいですが、客がまばらな会場でやっても客は「え、あの人怖い・・・」ってなるだけです。
「音楽楽しみに来たんじゃね〜のか〜〜!?」とかのパターンもありますが、たぶんそのお客さんたちは友達がライブするっていうから来ただけで、まさか説教されるとは思っていません。またライブハウスに来てもらえるように、「友達がライブするっていうから来たけど、結構いい場所だな」と思ってもらえる言い方にしてください。お願いします。




コツ、アイデアいろいろ

・短く

ダラダラ喋ってるから印象が悪くなるのであって、何も面白いことを言わなくても、そもそも必要事項だけを喋れば十分喋ってる感は出るはずです。30分のライブでMC二回入れるとして、自己紹介と告知だけでも最低限はなんとかなります。
「京都で活動しているfeltmouseです。まだ結成して1年くらいなのですが、名前だけでも覚えて帰って下さい。今日は短い時間ですがよろしくお願いします。twitterやってるんで、ちょっとでもいいと思っていただけたらフォローお願いします」と
「次回のライブは4/27(日付は事前チェックかカンペに書いておくの忘れずに)に西院GATTACAでライブがあります。ぜひ来て下さい。あと、無料配布のDEMO音源持ってきてます。自由に持って帰ってもらって大丈夫です」
でスパッと次の曲いけばいいんではないでしょうか。「え〜喋ることないんで次の曲行きます」はわざわざ言わないほうがいいです。
(ちなみにfeltmouseは8年くらい前に一回だけ僕がドラムでライブしたことあるバンドで、ライブ日程ももちろん架空です)

・明るく

照れながらボソボソ何言ってるかわからない感じは見てる方も恥ずかしいです。恥ずかしさは伝染します。接客だと思って明るく。個人的には「4人くらいで友達と飲んでるときのトーン」がいちばん近いです。明るく話せない人は言葉が固すぎる傾向にあるので、いっそほぼタメ口くらいで喋ってもいいかもしれません。
目線は前。僕はよくPA席に向かって話かけてます。あと、自分で喋って自分で笑うもNG。
余談ですが、大人になると人前で話す経験値っていうのは嫌でも積むもので、結婚式とか行くと、みんな人前で話すの上手くなるんだなぁと思います。

・メンバーに話かける、あるいは二人で話す

お客さんに告知したりするところはさすがに客席を向いていないといけないと思いますが、雑談的な部分はメンバーに話しかけて、相槌を打ってもらうのも手かと。一人で漫談スタイルというのはなかなか度胸が要りますし気持ちとしても孤独ですが、二人で立ち話をするスタイルだとまだ気が楽です。
「お前なんか喋って」との線引きがあいまいですが、「話の主導権を相手に押し付けない」という点で違うかなと。
問題点は、喋るタイミングがかぶったりするとごちゃっとするのと、あともしかしたら関西人にしかできないのでは?という懸念です。

・曲のことを喋る

ネタがないに対する解決策その1。一曲一曲に思いはあると思いますし、ライブハウスだと歌詞がなかなか聞こえないので、曲の説明をしてから曲に入るのは結構意味が有ると思います。歌詞に込めた思いとか、作ったきっかけとか。あとドラムがめっちゃ難しいので注目してください、とかも。

・パーソナルな情報を喋る

ネタがないに対する解決策その2。音楽だけで勝負したいという考え方もわかりますが、やはり個人のカリスマ性、とまでいかなくとも人となりから音楽にハマる道筋は軽視できないので、個人として興味を持ってもらうために、個人の趣味趣向を語るというのは大いにアリかと思います。何か好きなことについて熱く語ると、それに食いついた人に終演後話しかけてもらえたり、対バンと仲良くなるようなこともあるかもしれません。

いろいろ書きましたがいかがでしょうか。僕もそこまでMCがうまいとは言えないんですけども、普段喋る中でこういうことを考えています。
よければ参考にしてください。




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