どうも、現役スタジオ店員の池住です。
大学や高校でバンドを始めて、この春始めてバンドの練習スタジオに行くという人もいるでしょう。使い方を誰かが教えてくれればいいですが、店員さんがずっといっしょにいるわけでもないですし、全員が初心者のバンドだと誰にも指摘されないままお店や他のお客さんに迷惑をかけているということもあるかもしれません。ぜひマナーを覚えてイケてるバンドマンになりましょう。
パート別に書いていきますが、まずは全体編。
バンド全員が注意すべきこと
大体はバンド云々より「人として」みたいな部分です。
時間厳守
必ず5分前退出を守って下さい。エフェクターやドラムのセッティングが絶対撤収に時間かかるだろうと自覚がある人は、10分前から片付け始めて下さい。もしくは、スタジオ内でケースにきれいにしまおうとせずに、一旦荷物を全部外に出して下さい。
また、入り時間が30分以上遅れるような場合、店員は「予約ミスった・・・?」と不安になるので、1本電話いただけると助かります。
ロビーの机を複数占領しない
ロビーは譲り合って使って下さい。基本的によっぽど人数が多いバンド場合以外は机は1バンドひとつでお願いします。机の上とかに貴重品やカバンやギターケースを放置していくのはやめて下さい。
アンプやPA卓の上に飲み物を置かない
基本的に飲み物はスタジオ内に持ち込み禁止か、フタ付きのもののみ持ち込みOKのところが多いと思います。飲み物はあればドリンクホルダーか、なければ平らな椅子の上などに置いてください。機材の上はこぼした時の故障リスクもありますが、そうでなくても水滴などで機材に悪影響を与えます(機材にとって湿気は大敵)
これはあんまり守られていない印象がありますが守って欲しいです。
挨拶
他のバンドさんにまで挨拶をする必要はないとおもいますが、店員にはなるべくしてあげてください。最近はイヤホンして挨拶無視の受付素通りパターンも多いですけどね・・・
機材を壊したら正直に言おう
よっぽど変な使い方をしていない限り(あるいはよっぽど悪徳なスタジオでない限り)、弁償とかになることはないので正直に言って下さい。よっぽど変な使い方とは、アンプに水をかけるとか、シンバルを投げるとか、そういうレベルです。
忘れ物をしない
基本的にはお客さんの入れ替え時に店員が見ますが、見落とすこともあります。
で、次のお客さんが入ったあとで「忘れ物をしたかもしれないんですけど、スタジオ入らせてもらっていいですか・・・?」は結構無理なことも多いので、各自気をつけて下さい。
あと、微妙な量のペットボトルを放置していくのも辞めて下さい、捨てるか迷います。
備品を持って帰らない
忘れ物とは逆ですが、(ほとんどは間違えて、だと思いますが)備品を持って帰ってしまうパターンもあります。多いのが、チューニングキー、ケーブル、チューナーです。微妙に経営を圧迫するので、本当に自分のものか確認してください。
会計がスムーズだと助かる
一括精算だと助かりますが、人数で割るにしても、「こないだ500円貸したからそれを差し引いて・・・」みたいな相談は先にしておいてもらえると助かります。
ギター・ベース
アンプの使い方
これに尽きます。まずスタンバイスイッチがあるアンプ(マーシャル等)は、電源をOnにした後数分経ってからスタンバイスイッチをOnにしてください。同時に押す人が結構います。そのときすぐ壊れるわけではありませんが、これによってアンプの寿命は確実に縮みます。
また、何故かボリュームつまみをフルテンにしたまま帰られる方いらっしゃいますが、電源On/Off時にヒューズが飛んだり、次使うときいきなり爆音が出たりする恐れがあるので、終わったら目盛りは(なるべくすべてのつまみを)0にしてください。
また、初心者バンドにありがちなのが、ギターアンプにベースをつないだり、ベースアンプにギターをつないだりですね。サークルの練習場にないアンプだと何なのかわからない、ということだと思いますが、わからなければ店員に聞いて下さい。ベースをギターアンプにつなぐ飛ぶ可能性が高いです。よく練習終わりで片付けに入ったときに発覚して教えたりしますね。
ドラム
セットの現状復帰
よくあるのが1タムでセッティングしてそのまま帰る人。2タムに戻してもらえると助かります。
また、チューニングを極端にしたり、バスドラの中の毛布を出したりしたときも、戻しておきましょう。
スティックを使ってネジを締めるの、禁止
2本スティックの間にねじの頭の羽の部分を挟んで、思いっきり固く締めるやつです。若い人よりおじさんに多いイメージ。ネジが壊れるし次の人が回せなくなるのでやめて下さい。
ボーカル
マイク関係
スタジオ内に常備されているなら特にすることはありませんが、受付レンタルタイプなら、できればシールドを8の字巻きにして返しましょう。これもおじさんに多いですが、縛って返す人、あれは良くないです。断線の原因になるので。まだぐちゃぐちゃのほうがマシです。
また、音が出ているかどうかをマイクを叩いて確かめる人がいますが、壊れにくいSM58(スタジオのスタンダード)とはいえ、衝撃をあえて与える意味はありませんので、なるべくなら何か喋るか、グリルを爪でカリカリする程度にしておきましょう。
管楽器
つば抜き
つば抜き時の水滴が床に落ちていることが結構あるので、できれば拭いておくか床に落ちないように何か対策をするかしていただけると助かります。
ちなみに、あれはつばと言われていますが、ほとんど結露の水蒸気です。
まとめ
キーボードは特有のものは思いつきませんでした。サーセン。
さて、これだけいろいろ書くと初心者はビビってしまうかもしれませんが、音楽シーンで活躍しているバンドでも全部は守れていないと思います。
あくまでマナーであってルールではないので、基本的には「他者への気遣い」ができていれば大きなトラブルになったりすることはありません。これを全部守ろうと思うより、日頃から「気遣い」を大切にしてください。