ディミニッシュを使ってワンランク上のコードワークを

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名前は聞くけど、使い所がわからんコード、ディミニッシュ。使い方はある程度のパターンがあるので、覚えて作曲に取り入れてみよう!と言いつつ、後半は中級者向け。




ざっくり説明

Cdim7です。不安を煽りますね。サスペンス劇場感と言いますか。
解釈の仕方はいろいろありますが、厳密にはCmの5度を半音下げた(ルート音から減5度にした)3和音のものをCdimと呼び、Cm7の5度と7度の音を半音下げた4和音のものをCdim7と呼びます。が、だいたいどちらもCdimで通じますし、あまり書き分けることはないかと思います。ちなみに、Cm7(♭5)のようにマイナーセブンスから5度だけを半音下げたものをハーフディミニッシュと呼ぶことがあります。

パッシングディミニッシュ

頻出の使い方の一つとして、「パッシングディミニッシュ」というものがあります。ダイアトニックコードとダイアトニックコードの間にディミニッシュを置いて、コード進行をなめらかにするものです。キーがCのとき、F→F#dim→G7とか、Em7→E♭dim→Dm7とかが結構見ます。

The yellow monkey「Spark」

2:04あたりから。キーはF#で、コード進行はB→Bm→F#→Gdim→G#mとなっていて、「声を殺して奪い合えれば」の「ば」のところがGdim、そこからG#mに繋がります。F#とG#mの間に、Gdimを置いて、ベース音が半音ずつ上昇する形になっています。

ドミナントセブンスの代理

キーがAmのとき、E7の代わりにG#dimを使ったりします。G→G#dim→Amとなるわけです。結局これもベースラインが半音上昇。

King Gnu「白日」

0:56あたり、「言ってらんないよな」でA♭→Adim→B♭mという進行をしています。本来F7が来るべきところにAdimを置いて、ベースラインを滑らかにしています。King Gnuかっこいいよね。

使う時に知っとくと役に立つかもしれない知識

不安定な減5度(トライトーン)のインターバルを含むコードなので、どこかに解決しようとする力が働きます。パッシングディミニッシュにしてもドミナントの代理にしてもそうですが、半音上の音をルートとするコードに解決することが多いです。
また、すべての音が1音半ずつのインターバルで重なっているのも特徴です。なので、CdimはE♭dimやF#dimやAdimとルート音が違うだけで構成音が同じということです。これは結構転調のネタに使えます。例えば、F→G→G#dim(=Ddim)→D#mとか。ワンクッションでCからF#に飛べる珍しい例。




トニックとして使うその1

特殊ですが、トニックで使う場合があります。例は見つけれれませんでしたので作りました。

Dm7→G7→Cdim→C です。G7からすぐにCに解決せずに一旦Cdimを挟むパターンです。見慣れないかもしれませんが、全然アリでしょう?

トニックとして使うその2

THE DILLINGER ESCAPE PLAN「Milk Lizard」
トニックと言うか、リフの話なのでもっとモーダルな解釈をしないといけない気もしなくはないですが、ブルーノートを完全に減5度にしてしまったリフはもはやコードをつけるならトニックのディミニッシュしかない気がします。この曲などはご丁寧にホーンセクションもディミニッシュを吹いてくれているので、よりはっきりしていますね。

ちなみにカオティック・ハードコアバンド、リフでトニックディミニッシュ使いすぎ問題というのがありまして、それへのアンチテーゼとして機能的にディミニッシュを使おうということで作ったのが弊バンドArbusのこの曲でございます。よかったら聞いてください。
Arbus「Snails」




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