中田ヤスタカさんが5分の曲を5分で作ると言うツイートがRTされてきました。それで思い出したのですが、山本精一さんも5分の曲を3分で作る、みたいなことを仰っていたような気がします(これはアンオフィシャルな発言を又聞きしたような)。お二人の発言が真に意味するところはわかりませんが、個人的には「考え方ひとつでできる人にはできる」話だと思うので、その辺について書きます。5分の曲を3分で作って、浮いた時間で筋トレでもしましょう。
言葉の定義
作曲の定義ですが、歌モノの場合は一般に「メロディを作る」です。今回は歌モノに限った話でお願いします。
デモを作らなくても、アレンジが決まってなくても、コードが決まってなくても、場合によっては構成決まってなくても、1曲分のメロディさえ揃っていれば「作曲できた」ことになります。
具体的には
この力は「アドリブ力」とほぼ同じです。何の伴奏も無しにスキャットできる人なら、AメロBメロサビ分を、歌って覚えて(あるいは録音して)おけば、質はともかく一応出来たことになります。
ピアノを例にとってもうちょっと現実的な話をすると、、左手ケーデンス(コード進行のまとまりのこと)をリアルタイムで引き出しから選んでいき、そこに右手でアドリブでメロディを作っていきます。単音縛りかつ1オクターブ半くらいの音域でいいメロディが出るかどうかは経験にかかってきますが、メロディ作りと思うよりは良いアドリブをすると思ったほうが気は楽ではないでしょうか。
ギターだとそのままこの方法は難しいですが、鼻歌でもいいですし、予めDAWでコードだけ打ち込んでおいてその上でアドリブするとかでもいいです。初期のブルースとかはとりあえず12小節のコード進行があって、その上で言いたいことを言うみたいな感じですし、こっちのほうが大衆音楽として王道の作り方と言える・・・かもしれません。
これでAメロBメロサビ(必要であればCメロ)のメロディが一揃いできたら、あとはこれを2コーラス+Cメロ+サビ2回に並べる、と決めてしまうと、最短5分の曲が3分くらいでできる、というカラクリです。
この方法で大切なのは「なるべくテンションに任せる」ということです。激しいフレーズが続いて、そろそろ一旦静かにして音数減らしたいな、と思ったら、おそらくそれに従うことでいいメロディになり得ます(適切にそう思えるかどうかは経験・・・以下略)。
自分の場合
個人的には、歌モノは、5分とはいきませんが小一時間くらいで作って一晩寝かせ、少し手直しして作曲の工程は終わりです。メロディを作ってから一応のコードを決めるので、純粋にメロディだけを作ってる時間は15分くらいかもしれません。デモか本チャンかにもよりますが、編曲にだいたい数日かかります。
早さと質のバランスは慎重に
もちろん早けりゃいいというものでもないですが、個人的な感覚として、数時間かけてまとまらないメロディはその後もどういじってもよくなりようがない傾向はあります。
また、不自然な部分は何回も鼻歌で歌うと自然な流れ方に引っ張られていくので、「一旦歌ってみる」はおすすめです。
もう一つ、こういう作り方をすると頭の片隅にあった既存の曲のメロディが出てきてしまうことがあります。これがそのまま世に出ると悲しい展開が待っているので、その辺はよく聴き直すなり人に聞かせるなりしてチェックしましょう。
早く曲を作るメリット
基本、待ってる人(クライアントとか)がいるなら、待たせていいことはないです。締め切りギリギリだと信用も生まれづらいですしね。ブラッシュアップの時間も多くとれます。
あとコンペも、早い段階でいいものがあるとそれ前提で話が進んでしまいます。僕も受かったコンペは話が来てから数日で提出してました。
そもそも時間は有限なので、早く済むことは早く済ませて違うことをしたほうがいいです。筋トレとか。