おしゃれコードというとざっくりしていますが、テンションコードとか分数コードとか、なんとなく聞いたことがあるくらいの人に向けた内容です。コード譜見てて出てきたら、今のご時世ネットで調べたらギターで押さえることくらいは可能かと思いますが、作曲に使うとなるとまた一段ハードルが上がります。今回は、ココはこう!っていうとりあえず深く考えずに取り入れられるパターンをいくつかざっくりと紹介します。(分数コードに焦点を当てたこちらの記事も併せてお読みください)
参考曲の説明以外はKey=Cで説明しますね。
Dm7/G、F/G
一般化して言うとⅡm7やⅣ+ルート音がⅤってやつです。
これの使い所は、「サビ前とか曲のつなぎ目の、普通に考えればG7になるところで、メロディがシ(G7の3度の音)を歌っていないとき」です。メロディがラやドやミを歌うところが増えると、これらのコードを使う意義は強まります。
参考曲:「What’s Going On」1:25あたり
これはKey=Eなので、サビ直前のコードは普通に作ったらB7になると思います。
が、この1小節間メロディにレ#(B7の3度の音)が出て来ず、入りがド#で伸ばしているのでF#m7/Bが合います。
F#7(#11)
いかにもややこしそう。
これが使えるのは、「FM7から始まるBメロ(でもサビでも何でもいいけど)の直前」です。
以下読み飛ばしてもらってもいいですが理屈を説明しますと、Key=CでFM7に行く前に、セカンダリードミナントとしてC7を入れるとより「コードが進行した感」が強まるのですが、F#7はC7の裏コードなんですね。で、C7にあってF#7にないドの音を入れると、F#7(#11)になったのでした(めでたしめでたし)。
感覚的には、めっちゃ難しいコードと思って身構えるより、ギターやキーボードがC7弾いてるのにベースだけ勝手にF#弾いてる、くらいのノリで使うと吉です。
参考曲:「Feel Like Makin’ Love」0:42あたり
Key=E♭です。微妙に違う音も入ってるんでアレですが、サビのA♭に入る前のコードはA7(#11)です(マリーナショウやロバータフラックのバージョンがわかりやすいですが、公式のがなかった)。
G7(9)、G7(♭9)、G7(#9)、G7(11)、G7(#11)、G7(13)、G7(♭13)
まーいろいろ並べましたけど、G7にややこしい数字を足したものです。これらの使い所は、「Cから始まるサビなどの直前で、メロディがない時、G7の代わり」です。
メロディがない時、っていうのが引っかかる人もいると思うのですが、メロディがある時は、「メロディが9thなり♭13thなりを歌っていて、伴奏がG7を弾いていて、全体的に聞くとG7(9)やらG7(♭13)やらになっている」というのが本来的な形かと思いますので、そういう時はとりあえず素直にG7を弾いておきましょう(この場合の説明は今日はしません)。むしろメロディがないところで、この9thやらなんやらの複雑な音が彩りを加えてくれるはずです。
それぞれのコードでひとつひとつ雰囲気が違うので、いろいろ試してみましょう。
参考曲:「Everything」2:10あたり
これはKey=D♭なのですが、サビのD♭に入る直前、A♭7の代わりにA♭7(♭9)(13)などという無茶をしております。この不安感がサビへの原動力となるわけですね。流石です、冨田先生。
この部分に限らず、この曲はテンションコード、分数コードの総合商社みたいになってますので分析おすすめです。
さていかがだったでしょうか。とりあえずこういうふうに使ってみて、テンションコード、分数コードに慣れて行きましょう。
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