結局ドラマーはどこまで速く叩けるのか

LINEで送る
Pocket

またドラムの話です。ドラムの打ち込みの話はやっぱりみなさん情報を求めているのか、なかなかPV伸びますね。
ドラムの打ち込みのことをググると、人間らしくするベロシティの設定方法などの情報は結構出てきます。でも、「人間らしく」ということを意識すると、あんまり速い連打はやめておこうとか、こんなの片手で叩けるわけないとか、ちょっと無難なフレーズになってしまっている人が多いのではないでしょうか。なので今日は、実際ドラマーはどれくらい速いフレーズを叩けるのか、というところを書いていきたいと思います。

(「攻めたフレーズを作る」と「ドラマーが叩かなさそうなフレーズを作らない」を両立するのって非ドラマーには結構難しいので、併せてこの記事をお読みの上、実際のスーパードラマーの動画や楽譜で研究されることをおすすめします)

※「世界トップレベルのドラマーとまではいかないけど普通に人に教えられる」くらいの実力を想定しています。当方テクニカルなメタル/ハードコア界隈の人間(そしてギタリスト)ですので認識に偏りはあるかもしれません。




スネアやタム

RLRLRLRL~という16分音符のシングルストロークの場合、腕と手首を使うものならBPM220くらいまでいけます。アクセントも比較的自由につけられます。BPM200~240になると指だけでスティックをコントロールすることにが多いので、あまりアクセントがつきません。かといってベロシティを全く調整しないと変なので、本当に微妙な差で大小大小・・・と設定してください。その上で音楽的に必要なアクセントは少しはっきりめに大きくしてOKです。
RRLLRRLL(ダブルストローク)でも270くらいまでいけますが、こちらはベロシティが大大小小・・・となります。こちらもベロシティの差はかなり微妙です。

この動画を見てもらうと、3:08~シングルストローク、ダブルストローク・・・と解説されています。音を聞いても、シングルストロークが「タトタトタトタト」、ダブルストロークが「タタトトタタトト」となっているのがわかるかと思います。手首は動かず、指だけでコントロールしていますね。

また、片手で2打連続で叩くのは容易にできるので、ハイハットは右手で8分キープしながらスネアは左手だけで16分の2連続を含むフレーズ、とかは可能です。

ハイハット

通常スネアのように指だけで叩くということがないので、BPM220くらいくらいまでで、裏表のベロシティの差をしっかり、となります。ライドの位置にハイハットを設置しているドラマーもいて、そっちのほうが速さの上限は上がります。

ライドシンバル

設置場所的に、スネアと同じようににチップの跳ね返りを利用することが可能なので、スネアと同じく指を使ったストロークで240くらいまでは片手で可能です。この時カップを叩くことでアクセントを表現することが多いです。

バスドラム

16分音符で2打連続の場合、BPM140くらいまで可能です。
この時注意しなければならないのが、音量は「二打目のほうが大きい」ということ。

5:17~あたりを見てください。1打目は爪先で、2打目は足全体で踏んでいるのがわかると思います。当然、2打目のほうがしっかり体重がかかり、大きな音になります。
遅いテンポだと「ドンタンドドタン」の「ドド」は1打目のほうを大きくしますが、これは2打をそれぞれフルで踏んでいるからであり、速い連続とは異なる話です。
3打以上の連続になると、BPM100の16分くらいまでなら可能かと思います。

ツーバス/ツインペダルの連打はBPM200の16分くらいまでが現実的かなと思います。
単純なベタ踏み連打を使う時、トリガーを使った音圧のある感じを目指すことが多いと思うのですが、そういう時はあえてベロシティはマックスより少し小さめでほぼ一定にしたほうが現代的なメタルの雰囲気は出ます。




すべてに共通すること

速くなればなるほどスティック(あるいはビーター)の移動距離は小さくなるので、あまり大きな音は出ません。なのでBPM240で連打しているときベロシティが120~127あたりにあると不自然です。連打していない時のベロシティよりも小さくしましょう。
また、BPM210の16分くらいまでならゴスペルチョップ的に各パーツ間を複雑に移動するフレーズはよく見ますが、BPM240くらいになると4打ずつで移動していく形が主流になります。

すべてがどうでもよくなる動画


「NILE」のドラマー、ジョージ・コリアスちゃん。
人間ってすごい。




LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です