それでは上手くならない!やってはいけない歌の練習

LINEで送る
Pocket

ちょっと風呂敷広げすぎな感はありますが、歌の練習に関してネット上の情報でしっくり来るものがあまりに少ないと感じています。
一応歌を10年練習してぼちぼち上手くなった身として、世にはびこる「それどうなん?」的定説を書いていきます。
荒れがちな話題なので、なるべく誠実な文章になるようにがんばります。





(本題に入る前に)私はボイストレーナーではありませんし、気持ちの面でボーカリストかどうかも微妙です。ただ10年コツコツ練習して、地声音域も1オクターブほど広がりましたし、声量も上がりました(歌の成長の記録はこちら)。ある程度「声は人それぞれ」と「普遍的な体の使い方」は分けて考えられているとは思いますが、十分注意して書きたいと思います。
また、多くの練習は人の成長段階や目的の置き方によってNGかどうか変わるものもですので、そのあたりにもいちいち配慮した書き方をしたいと思います。では行ってみましょ。

①鍵盤に合わせてのスケール練習

所謂「音感」を養うのが目的だとすれば、歌わずに何か楽器でもやったほうがいいです。
歌のピッチを良くするためにやっているのだとしたら弊害のほうが大きいと思います。ピッチを合わせに行くと「置きに行く」(最近良く使う表現)ことになり、余計な力が入ったり喉を絞めたりしてしまいます(というか、喉で音程をコントロールしてしまうといったほうが正確)。遠回りですが、発声発音リズムがバランスよく成長した先にいいピッチ含めての「聞ける歌」があると思うので、小手先でピッチを合わせに行くのは無駄です。そもそもピッチが悪い人は、自分の声がちゃんと聞けてないので、たぶんピアノに合わせてもあんまり意味ありません。(割り箸咥えるとかバケツかぶるトレーニングとかが有名ですが、実践して効能を知ってるわけではないのでここでは言及しません)

②腹筋って本当に意味あるの

ボーカリストは結構体作ってるイメージがありますが、筋力はあまり歌唱力とは関係ありません。基本的には脱力こそが正義なので、腹筋してもあまり意味ありません。僕は筋肉を意識するとすれば背筋ですが、これも適切なタイミングで力を「抜くために」入れるようなもので、強い弱いは関係ありません。
例外的に腹筋が要るとすれば、平井堅的なソフトな歌声においてでしょうか。基本的に脱力すればするほど大きい声になるので、敢えて腹筋でセーブすることによってあの人間コンプ感を出しています。と知った風に書きましたが僕には出来ません。ま、優しさとは筋肉ということですね。
また、激しいステージングをこなさなければならない、フロントマンなので体型を維持しなければならない、など歌唱力以外の要素は大きいと思います。

③大きな口、大きな声信仰の弊害

口の開け方に関しては、本当にプロの上手い方のライブ映像を見てほしいのですが、口をあまり開けずに歌っている方が意外に多いはずです。もちろんそれが全てではなく、口を大きく開けて歌っている上手い方もいます。大切なのは、口の開け具合に良し悪しはなくただ欲しい声質で決めるべし、ということと、こちらは主観が多分に入りますが、口を開けないほうが初心者は間違った発声になりにくい、ということです。
大きな声に関しても、最初は力任せに怒鳴り声を出してしまいがちですが、一度小さい声に立ち返って(というか大きい声を出そうとせず)、脱力によってだんだん体を共鳴させる歌い方を上達させていくほうがきれいに大きい声を出せるようになると思います。個人の経験則で言えば、「今日は大きい声出そうとしてしまっているな」と思う時のほうが、声が枯れるのは早いです。




④肺活量もそこまで関係ない

間違った練習がどうのというよりは、肺活量ないから自信持てない人がいそうですが、スポーツもしてなくて喘息で息を1分止めるのもままならない私がまぁまぁ歌えるので関係ないです。歌においては「たくさん吸う」より「吐ききる」と「息/声の変換効率をよくする」が大切で、たいていのポップス/ロックなら健康な人の肺活量で十分事足ります。とか偉そうに言いましたが、私は平井堅とかの歌い方になると語尾のロングトーンがしんどいです。息/声の変換効率が悪いので。

⑤ネットでの文字情報を鵜呑みにする

ものっすごい大きなブーメランを飛ばしてしまいましたが、本当にこれofこれです。ミックスボイスとかビブラートとかできるようになりたいと思っている人も多いと思いますが、ネット上の文字情報だけで正解にたどり着くのは多分かなり不確実性が高いです。一応出来るようになった側からの感想ですが、ミックスボイスだのビブラートだのの説明を文字でされても、「まぁ、確かにそう言う感じっちゃ感じやけど、言われてみればって感じやな~」程度なので、真面目に読み解こうとするのは非常に効率が悪いです。歌に限ったことではありませんが、そういう説明は出来た人にしか理解できないものです。
対処法は2つあって、プロ歌手のライブ映像を見る、と、習いに行く、です。結局文字情報では無理!

最後に

いろいろ書きましたが、結局歌いこんだ量だと思います。「遠回りしたけど振り返ってみれば出来るようになってた」しか無い世界ですので、スマホを捨てて歌いましょう。
ちなみに、この記事を書こうと思ったのはこのイギリス人の動画を見て感化されたからです。
指摘するポイントが僕とかなり近いので毎分1000回くらい頷きながらチャンネルイッキ見しました。口の開け方、歌手のチョイス、断定しない言い方など、着眼点や伝え方がすばらしく、かなり役に立ちますよ。




LINEで送る
Pocket

「それでは上手くならない!やってはいけない歌の練習」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です