あんまり人が教えてくれないDTMの常識、コツ、作法のようなものたち

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DTM初心者のうちってわからないことがたくさんあると思うんですが、具体的に曲を作ることって調べればすぐわかると思うんです。ドラムを生っぽくうちこんだりとか、いろんなエフェクトの使い方とか。でも、それらの外側にある、ちょっとした知らなくてもなんとかなってしまう作法って、初心者もあえて調べようとしないのでなかなか身につきません。僕結構遅くまで疎かにしていた部分もあります。そういう部分をまとめました。
ちなみに、あくまで僕の周辺で通用している常識なので、所変われば非常識、ということもありえます。




作業編

実際の作業時の豆知識です。

①テンプレート

教則本で読むと最初のほうに書いてあったりしますが、生徒さんが習いに来る前から自分でテンプレート作ってたっていう例がないので、初心者には浸透してないのかもしれません。
よく使う楽器編成やエフェクトを自分で設定しておいて、テンプレートファイルとして保存しておくんですね。新規に曲を作るときに、いきなり音楽的な作業から入れるのでかなりの時間短縮になります。
ちなみに僕は、
ガイドメロ用のシンセ
ドラム(各太鼓類をパラ出し)
ベース
ギターL、R(まとめてバスへ)
ギターソロ
ピアノ
ストリングス(1stバイオリン、2ndバイオリン、ビオラ、チェロ)
ボーカル
コーラス×2(まとめてバスへ)
AUXにタイプの違うリバーブ2つとディレイ
・・・のようなセッティングをロック・ポップス用テンプレートにしています。

②曲の頭を10小節くらいあける

1小節目から作ってしまうと、厳密に言うと1小節目以前に存在するギターのアタック音とかが入らず、曲がいきなり始まってしまいます。そこで頭は何小節か空けておきたいのですが、思い切って10~20小節くらい空けておくと、あとあと「イントロ長くしたい」とか、「変な効果音入れたい」とかに楽に対応できます。

③空間系エフェクトはAUXで一括管理

これは比較的知られている知識かと思います。AUXでもバスでもSEND/RETURNでも呼び方はいろいろあるんですが、エフェクト用にトラックを作って、ギターでもボーカルでも、同じリバーブやディレイを使うなら1個にまとめてパソコンの負担を軽減したり操作を楽にしたりしようということです。

実例です。右の白枠がAUXで、空間系FXを入れてあります。
左の赤枠にあるツマミで、楽器/歌のトラック側からどれくらいリバーブを効かせるかを調整するわけですね。
もちろん、これは「同じエフェクトはまとめよう」と言う意味で行うことですので、「このトラックだけ飛び道具的なディレイをかけたい」みたいな場合はそのトラックにだけ個別でディレイをかけます。

④オーディオの無音部分は削除

歌やギターを録音したあと、無音部分(はじめと終わり、長い休符部分)は削除しましょう。
分割されたオーディオデータの両端は、フェードを書いておきましょう。これをしないとプツっとノイズが入ることがあります。

⑤ショートカットキー

普段パソコンで仕事している人にとっては常識ですが、DTMで始めてパソコンをちゃんと触った人もいると思うので紹介します。DTMの教則でショートカットキーとか教えてくれないですしね。とりあえず以下は絶対覚えましょう。絶対です。
Ctrl+C コピー
Ctrl+V ペースト
Ctrl+X 切り取り
Ctrl+A 全選択
Ctrl+S 保存
Ctrl+Z 一つ戻る
(Winの場合、MacではCtrlのかわりにCommand)
特に、Ctrl+Sは何か1つでも操作したら必ず押す癖をつけてください。フリーズしたけど保存してなかったから一日の苦労が水の泡ってほんと馬鹿みたいです。
これを覚えたら、それぞれのDAW固有のショートカットキーも覚えてどんどん時間短縮していきましょう。




コミュニケーション編

人とファイル等をやりとりするときの作法です。

①ファイル形式の選び方

主にWAVとMP3にわけられると思います。
ざっくりと、WAVは重いが音質が良い、MP3は軽いが音質があまり良くない、と言えます。
また、MP3にする際、エンコードの段階で頭に僅かな空白ができたりしてタイミングも正確でなくなります。ですので、他人と共有するときは、
ちょっとしたラフな確認→MP3
MIXの確認・録音してもらうためのオケ・MIXしてもらうためのパラ出し→WAV
と使い分けましょう。

②サンプルレート・ビットレート

言葉自体の説明は他に譲りますが、基本的には数字が大きほうがいい音です。
本やサイトによっては「44.1kHz/16bitもあれば十分で、あとはPCのスペックによって調整しましょう」などと書いてある場合もありますが、ギョーカイ的にはほぼほぼ「48kHz/24bit」です(マスタリングした後CDに焼く段階は「44.1kHz/16bit」)。DAWの設定や、人とやり取りする際のWAVも基本は「48kHz/24bit」でお願いします。送った側のWAVと受け取った側のDAWの設定が違った場合、正しく読み込めないことがあるので。
ただし、当然個別の事情はあるので、一言「48kHz/24bitです」と添えてあげると優しいです。

③パラ出し時に頭を揃える

パラ出しの際、すべてのトラックの頭を揃えて挙げないと、受け取った側は正しく並べることが出来ません。MIDIデータを送るときは、ど頭に一音、頭とわかるように何か音を入れておきましょう。

④ファイル名の付け方

悪いことは言わないのでアルファベットで「title_mix_20170609」みたいな感じにしましょう。日本語は文字化けの元です。記号も無闇に使うと不都合があったりするので、基本はアルファベットと数字とアンダーバーだけでなんとかしましょう。

⑤アップローダを使う

音源を送るときは、なるべくファイアストレージやDropboxなどにアップしましょう。添付で送るとすぐ相手のメールボックスがいっぱいになってしまいます。
また、ファイアストレージなどで送られてきたデータは、必ずその日のうちにダウンロードしましょう。ダウンロード期限があります。「期限切れちゃったんでもう一度ください・・・」は世界一無駄なやりとりです。

⑥MIXしてもらうためにエンジニアに送る素材はなるべくドライで送る

ドライとは、エフェクトがかかっていない状態、ということです。ただ、音作りと不可分な領域なので、最近はシンセとかはわりとエフェクトかかってても許容される傾向にあります。

⑦モノラルで済む素材はモノラルで

ギターなど、モノラルで大丈夫なものはモノラルで送って、少しでもデータを軽くしましょう。

いかがだったでしょうか。DTMライフにお役立てください!


本文とは直接関係ないけどDTM関係で唯一持ってる本、結構良かった。

ではまた、ずーみー @zoooomy でした。




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