ギターにおいてチューニングは命より重い

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みなさんはギターを弾く前にチューニングしてますか。ライブの本番前くらいはしますよね。
では、家で練習する前は?していない。それは大変残念であります。
では、オクターブチューニングはご存知でしょうか。ない。嗚呼。
ではみなさんは観客がそのチューニングの甘さによって並々ならぬ不快感を感じていることもご存知あるまい。しかし対バンは知っていたのある。

謎に坂口安吾モードで書き始めましたが本筋とは関係ありません。(わからない人は青空文庫で読もう!)
今日はチューニングのお話。




チューニングをしない者に音楽をする資格はない

西洋音楽(普段僕らが聞く音楽)ってのは12平均律でできています。これが現代人の知っている音楽の土台です。ここが正確であって初めて、メジャーコードが明るく聞こえるし、パワーコードにパワーが宿るわけです。これ、昔の人ががんばって純正律(各キー内ではきれいに共鳴するけど転調できない音階)からグレードアップしたシビアなドレミファソラシドだから!だいたいあってたらいいわけじゃないから!(耳がちゃんと鍛えられている人は、だいたいでも押弦の加減とかでいい具合にできますが、初心者のうちからチューニングをだいたいで済ませ続けてきた人には無理です)
チューニングをちゃんとするのは、音を正確なピッチで鳴らすことが目的ですが、副次的に耳を良くする効能もあります。

チューニングの基本

とは言え、チューニングでやることは、チューナーにつないでランプや針が真ん中に来るようにあわせるだけ。それをめんどくさがらないで毎回やってね、ってだけです。音叉はロック界隈で使われてるの見たことありません。
一応レギュラーチューニングの音程載せておきますか。一応このページはすべてレギュラーチューニングについて書きます。その他のチューニングに関してはまた今度。4弦ベースに関しては3~6弦で当てはめてもらえればと。

上から1弦→6弦ね。
チューナーのランプとか針ってなかなかぴったり真ん中では止まってくれませんが、弦を弾いて少し経ってから、左右に同じくらいの振れ幅に収束していけばOKです。
これを全部の弦を一度合わせた後、全弦適当なポジションで大きめにチョーキングします。そうすると多少チューニングが狂うと思いますので、もう一度全弦チューナーで合わせます。これを繰り返し、チョーキングしても音程が狂わなくなるまで繰り返します。

また、ペグを回す際の注意点なのですが、必ず音を低い音程から上に上げる方向でチューニングしましょう。高い音程から緩める方向でチューニングすると、ペグの構造上、ピッチが下がってきてしまいます。低い音程から徐々に上げていって、行き過ぎたら一度大きく下げてからまた上げる方向で合わせて行きましょう。

耳だけでチューニングする場合

正確性で言えばチューナーがベストですが、音を正確に覚える訓練として、またライブ中のアクシデントの対応策として、知っておきましょう。

さっきの図の流用。
図にあるように、6弦5フレットを押さえると5弦開放と同じ音、5弦5フレットを押さえると4弦開放と同じ音・・・という具合です。2弦と3弦の間だけ他と違っていて、3弦4フレットを押さえると2弦開放と同じ音です。
これがわかっていると、どれか1本だけでも音が合っていれば、そこから全弦チューニングできてしまいます。ピアノでAの音だけもらって、あとは耳でチューニングしてサラッとジャムセッションするとか、かっこいいですね。

また、ハーモニクスでもチューニングできます。

この図の同じ色のポジション(6弦5フレットと5弦7フレット・・・等)のハーモニクスは同じ音程なので、それらを同時に鳴らしてチューニングすることが可能です。
ハーモニクスは鳴らしたあと手を離すもんなので、鳴っているハーモニクスを聞きながらそのまま左手でペグを回すことができます。また、ハーモニクスは倍音が少ないので、2つ同時に鳴らした時に音程が同じかどうか、正確に聞き取ることが比較的簡単です。




オクターブチューニング

結構みんなやってないのがオクターブチューニング。
開放弦でチューニングしてバッチリ合ったとしても、ハイポジションでソロを弾くと音程がおかしい・・・ということがあります。それを防ぐためにしないといけないのがオクターブチューニング。

手順は、まず12フレットのハーモニクスを鳴らします。開放弦でチューニングがちゃんとできていれば、正しい音程のハズです。
次に、12フレットを押さえて実音を出します。
この時、ハーモニクスと同じ音程であればよいのですが、高かったり低かったりするとき、ブリッジサドルを調整する必要があります。下図に示すように、
・ハーモニクスより実音が低い場合はサドルをネック側に(音程が上がるように)
・ハーモニクスより実音が高い場合はサドルをボディエンド側に(音程が下がるように)
ネジを回して調整します。

写真はフェンダー系のブリッジですが、ギブソン系でも同じです。
オクターブチューニングは、弦を替えた時は必ずやりましょう。

チューニングが合わないな、と思ったら

アナログな楽器で、永遠にチューニングが狂わないものはありません。温度・湿度に影響を受けることで、チューニングも程度の差こそあれ変化します。安定したチューニングのためには、なるべく前もって楽器をその環境に慣れさせておくことが大切です。
同じような意味で、弦を替えた直後はチューニングが安定しません。本番直前に弦を替えるのはなるべく避けましょう。

また、弦の古さ、ペグに巻きつける量(多すぎても少なすぎてもダメ、通常2、3周で弦が重なって団子にならないように)はチューニングに大きく影響します。

最後に、これを言うと身も蓋もありませんが、チューニングが合わない問題は結局弦を正確に押さえられていないことが原因であることがいちばん多いです。(なので正しくはチューニングは合ってるけどピッチ合わない問題)
例えば、弦を真上から押さえられず、チョーキング気味になる癖があったり、押さえる力が強すぎて音程が上がっていたり・・・。
そもそもギターはかなりアナログな楽器で、チューニングが合っていたとしても押さえる力加減で音程は変わってしまうので、ちょうどいい音程になる力加減で自動的に押さえられるようになる耳を持つことが一番大事なのです。




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