そのドラムのベロシティ調整、本当に必要?

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今回は概念潰してけシリーズということで、DTMドラム打ち込み時に何故か常識とされているベロシティ調整、まじで必要?っていうことを書いていきたいと思います。バスドラとハイハットについてなので2項目しかないけど。




バスドラム

バスドラムでよく言われるのは「表拍は強く、裏拍は弱く」ですね。でも、僕は、ベロシティを一律にして打ち込むことも少なくありません。じゃあ、例をどうぞ。

上がベロシティをアクセント127、非アクセント100にしたもの。
下が全部一律127です。BPMは120です。
聞く人によって感想はいろいろあると思いますが、下のほうが自然に聞こえませんか?
いや、そうでもないと仰る方のために根拠を述べます。
まず前提として、音楽として、低音の強弱はあまりないほうが安定して聞こえます。その証拠に、バスドラムもベースもミックス時にコンプレッサーはガッツリ目にかけます。ですので、ドラマーもバスドラムはなるべく音量が均一になるように踏んでいます。
そして、実際にどの程度均一に踏むことが可能か、ですが、BPM140くらいまでは連続の8分はしっかりとフルで踏めます。それ以上になってくると1打目と2打目のモーションに差が出てくるのでベロシティは若干差をつけてもいいかな、と思います。(基準は、そこまで明確ではありませんが、「8分音符の間に自然に16分音符を感じられるスピードかどうか」です)
メロコアの2ビートやメタルのようなベタ踏みになると、かなり高速ではありますがトリガーを使うことが主流になっているのでベロシティは一律のほうがそれっぽく聞こえます。

まとめると、
・バスドラのベロシティはバラつかせすぎると曲の安定感が失われる
・遅めの2打連続は同じベロシティのほうがいい
・速くなるとバラつかせたほうがいいが、メロコアやメタルのバチバチサウンドはやはり1律のほういい

ちなみに、こういうフィルに絡めたバスドラはもちろんベロシティをシビアに調整します。




ハイハット

バスドラムと同様、「表拍は強く、裏拍は弱く」とがスタンダートとされていると思います。しかしこちらも、バスドラムよりは例外は少ないのですが、ベタ打ちOKな場合があります。
とりあえず、BPM120でハイハットのベロシティ一律パターン。

これは、多くの場合変です。下手な人が力任せに叩くとこれに近い感じにはなりますが、上手い人のドラミングではないですね。
しかし、ハイハットベタ打ちもBPM80まで落としてバスドラム等で16分ノリを出してみると少し聞こえ方が変わってきます。

上がクローズハイハット、下がオープンハイハットです。どちらも違和感ないのでは?
ちなみに、ハーフオープンではやや違和感がありました。これは、音の長さが「点」であるハイハットや、次の音まで持続するオープンでは感じられなかった「音の減衰」が全部同じだと、所謂「マシンガン効果」(全く同じ音が連続すると違和感を覚える現象)が比較的はっきり出るためだと思われます。

まとめ

バスドラムとハイハットを見ましたが、これを一般化すると
・曲の持つ最小の単位のノリの一つ上の音符(例えば16分ノリの曲ならば8分音符)はベロシティが一律でもそこまで違和感はない
ということが言えると思います。その上で、フィジカルとして叩けるか、低音の安定性などの要素が加わってきます。
また、よく言われるスタンダートな方法が必ずしも正解ではない、ということはお伝えしたいです。
確かに、ベロシティも一般論的なつけかたでたいがいは大丈夫ですが、それを破ったところに最適解があるかもしれません。最終的には自分の耳を信用しましょう。そして信頼できる耳づくりを怠らないようにしましょう。




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